雨桐悠生 雨さんの軌跡 (女性として生きる事を選択した人の奇跡)

半世紀過ぎてからGIDでMTFだと診断された人です。化粧品のアンバサダーモデルもやってたりします(*´∀`*)

MTF日記(136回目) 母からの認識の変化

私は実家に度々顔出しています。


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父が亡くなってから、母が独居になってしまうからと心配していましたが、姪が高校進学の為にアメリカから実家に移り住んで、実家から通う事になったので、その間は時々手伝いに行くにしても、まぁまぁ安心していました。

ところがですね、兄が三十年ぶりに帰国することになり、今夏から兄のところに姪が引っ越してしまった為、母がまた独居になってしまったので…。

 

母はね、昔から性同一性障害に知識も理解もないし、元々他の話題においても、表現に全くデリカシーが無いタイプの人ですから、昔は本当に実家に顔を出すのが嫌だったんです。

 

カミングアウトした時は取り合ってさえもらえずに罵倒されたし、散々だった😢

だから当初私は、夜な夜な泣いたりね笑

沢山眠剤や安定剤を服用していた時期もあったし、実家に寄り付かなくなった時期も勿論かなりあります。

 

ただね、私は家族と縁を切ってしまうようなタイプの倫理観を持っていなかったし、そうするには大人になり過ぎていて、家族全部捨てる選択肢は私には選べなかったんです。

感覚的にね、母からは未来永劫もう完全な理解は得られないって悟っていて(これは今でもそう思う)、だんだんと慣れてもらうしかないって結論になったんです。


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だからね、あまり急激な変化で母を刺激しないように気をつけながら、行くたびに少しずつ風貌や振る舞いを変化させていったの。

そうする事で、時に嫌味を言われたり、文句を言われたりもしたけれど、また立ち戻ったりしながら、また再挑戦したりして、繰り返し繰り返し慣れてもらうようにしました。

 

実際に昨年末くらいまで、まだ実家に行くときは仕事帰りであっても、わざわざメイクオフしたり、ちょっとラフな上着を羽織ったり、なんとなくボーイッシュな感じにまとめる事で、面倒を避けていたりもしたんです。

 

そんな母も、今年1年で大分私の容姿に噛みつく事が減ってきていて、私の日常(仕事帰りそのまま)の姿に嫌悪感を露骨に表出するような事は少なくなってきました。

私の容姿に文句を言う次男に対して

「私しゃデ◯の方が嫌だよ!」

って言い放ったりね。

まぁどっちにしても、母はそういう物言いの人なのは残念ですけど…😮‍💨

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少しだけでも母が慣れてくれたのはね、時間や回数で私を見慣れたというのは勿論あると思うんですけど、カリフォルニア育ちの姪が、始めからずっと私に好意的だった事も大きいのかなーって思っています。

私に嫌味を言ったり、怒ったりする母を見ていた姪がね、ある時私が帰った後に「おばあちゃんはおかしいよ!」って私を擁護したりしてくれた事もあったみたい(母からこんなふうに姪に言われて、ちょっと反省したよ💦って私に言った事があったの)で、私はそんな姪にとても感動して感謝したし、可愛い姪にそんな負担をかけていた事に、とても申し訳ない気持ちにもなったりしたのを忘れません。

 

それもあったからね、なるべく面倒を避けたいと思いながら、少しずつ少しずつだよって思って、母からの反応を見ながら、実家に行っていたんですよね。


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それでもね、母の友人や知り合いに会うと

「このコ女の子みたいだけどうちの3男なんです。この子とっても優しい子なんですよ。」

みたいな紹介をして、相手の方が

「え?3男さんのお嫁さんですよね?」

みたいになって、困惑させるような事は度々あって…

そんな時、私からは何か言う必要もないから、私に出来るのは、どちらにも訂正はしないでニコニコするだけなのだけれど。

後からその度に、自己嫌悪で凄く悲しい気持ちになって帰る事になるわけです。


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まぁそういう繰り返しをしながら、今に至っていますが、最近はどうなのかというと…

 

今はね、仕事のナチュラルメイクなんかは落とさずに、そのまま行くようになりました。

母「お前今日顔綺麗だね。化粧してんの?」

私「日焼け止めファンデ塗ってるし、眉描いてますよ。」

母「ほーん。日焼け止めでそんな綺麗になるんだ。若さだねー。」

私「チークとハイライト少しだけつけてるから、顔色良く見えてるんじゃないです?」

母「ふーん、あんまりわかんないのは良いね。私の眼が悪いのか笑」

 

みたいな反応があったりもします。

服装や靴も普段のままで、ボーイッシュにわざわざ振るような事はしなくなりました。


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この前は母から

「孫におばあちゃんのメイク変って言われたんだけど、そんなことないよね?お前も変だと思う?」

と聞かれたりした事があるくらいには、慣れてもらえたように思います。

 

以前は父の服を遺品整理をしながら、私に沢山渡してきたような母なんですが…

最近はね、自分の服を私にくれるようになりました。

母「これさ、お前に似合いそうだからやるよ。」

私「お?カッコイイ。着れますけど、結構着合わせが難しい色だね。」

母「こっちはどう?ちょっと女っぽ過ぎて駄目か。」

私「着れます着れます。こっちの方が多分私には似合うよ笑」

母「なーに?笑  着れるー?」

私「ほら、こんな感じ。」

母「んーじゃあこれもやるよ。」

私「ありがとう!」

 

まぁこんな感じに話せるようにはなってきました。

身体(オペ)の事はね、まだまだ全然納得されないけれど、今の私や生き方自体は、少しずつ受け入れるというか、慣れてきてくれているんじゃないかなって思います。


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随分と時間をかけて、まだこの程度ではあるけど、嫌な事があってもちゃんと実家に顔を出して、関係を壊さないように、少しずつでも前進して行きたいなって思います。

 

私、ちょっとは進んでいるよね✨