雨桐悠生 雨さんの軌跡 (女性として生きる事を選択した人の奇跡)

半世紀過ぎてからGIDでMTFだと診断された人です。化粧品のアンバサダーモデルもやってたりします(*´∀`*)

MTF日記(137回目) スタンスの変化

本当に早いもので、今年もあと2週間あまりになりましたね。

頑張って節約してオペ費用を貯めていますが、やっぱり想定外の入り用もあるし、今年の目標分にはちょっと足りない感じで今年が終わりそうで、若干ブルーになることも…😞

でもね、一歩一歩進んで来れているのだし、計画通りに進む為に来年は更に頑張らないとと思っています✨


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今年はね、不眠も少しずつ解消されて、昨年に比べて少し身体が良くなったから、1月の終わりに希望して正職員にしてもらえたし、通常の勤務にも約1年身体が耐えられたの。

精神も身体も以前より明らかに凄く安定してきたんだなーって、周りの方々に助けられながら、幸せに過ごしてこられたように思います。 

 

RLEを近年重ねてきて

昨年の3月からHRT治療も始まって、治療が始まって1年が経った頃からね、つまりこの1年弱ですが、ちょっと意識的に変えた事が実はあるんです。

特にこの半年くらいかなー?

 

それはね、ちょっと言い方がおかしいかもしれないのだけれど、所謂普通であること。


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忘年会で撮って、ラインで送ってもらった1枚

(ノマカメきついよ笑)

 

何の話かと思うでしょうけれど、現時点の私にとってはとても重要なステップの1つじゃないかなーって思っているお話です。

どういう事かちょっと書いてみますね。

 

「所謂界隈になるべく顔を出さないで、交友関係を含めて、女装さんやトランスジェンダーのコミュニティと関わりのない形で、普通に過ごす。」

みたいな事です。


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何故?

界隈が嫌になった?

そういう事ではないんです。

どの段階で知り合った方も、私とは感覚が違ったとしても、良い方が多くて私は沢山救われたし、勿論大切な友人であり、今後も折を見てお会いしたりするとは思います。

ただね、この1年そういう方々を新たに増やすより、普通に淡々と日常を重ねていく事が、今の私に重要なんだと考えているの。

 

異性装者さんと私のようなmtfは全く違う別物だし一緒に見られたく無い!という事では勿論ありません。

かつて私もそうだったように、ジェンダーアイデンティティがある程度明確でも、個人的社会的な理由で、それ以上進めない方もいるし、異性装者は個人個人で環境もアイデンティティもかなりの違いがあって、個々の差はグラデーションである事は理解しています。

 

また、自分自身が所謂埋没を完全にする為に日常を重ねるの!という事でもないんです。

今だって、私がmtfだと知らない人はいるわけで、そういう方々にも普通に接していただいて、その環境においては今でも埋没しているわけです。

加えて、昔から私を知っている人に関しても、必要性がありカミングアウトした方々に関しても、カミングアウト後も、仲良くしていただいているわけで。


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私は歳を重ねているから、古い友人と断絶出来る程狭い交友関係の年齢でもないので、全て完全に埋没する!みたいな事については無理だし、それ程気にしてはいないの。


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ただね、ちゃんとRLEを積んで行くなら、あまり界隈にいては駄目だなーって、昨年あたりからなんとなく感じていたんです。

とても楽で居心地は良いのだけれど…

なんかそれに浸かっていては駄目なんじゃないかなって。

昨年くらいまではね、お友達が増えるのがとても楽しくて、世界が広がったような気がして、私なりにではありますが、色々なところにチャレンジしていたように思います。

 

 

昔まだ治療どころか受診さえ出来ていなかった頃の私はね、カミングアウトする勇気なんて無かったし、その根拠になる知識も勿論無かった。

当時、今のように自然な私を知っている仲の良い友人は、当たり前だけどただの1人もいなかったから、仕事場等の日常の私は、いつも偽りの私。

極力社交的には振る舞ってはいたけれど、いつも孤独を感じていた。

だからね、人知れず異性として街へ出る事で、精神のバランスをなんとかとってはいたけれど、隠している事で罪悪感も沢山感じていて…

とにかく私が異性でいても、受け入れてくれる知り合いが、友人が、私は欲しくて。

でも誰にも言えなくて、私はよく泣いたり、絶望したりしていました。


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その頃の私

 

でもね、私と同じような悩みの中で生きる人が見つかれば心強いと思ってはいたけど…

そんな人が見つかるわけ無いと諦めの気持ちもずっと持ってもいたの。

何度も何度も、普通になろうと努力して振る舞っていた私。

表面的には出来ていたかもしれないけれど、内面的には普通に適応出来ない自分も知っていて、結局は普通にするだけで辛くなってしまう自分の本質を呪って…

孤独感に押し潰されそうになっていた私は、自分と戦うのに常に必死だった。

異性である私を、拒絶しない人がもし居るのならば、誰でも良いから知りたかった。

私が私のままいられる時間に、そのままお話出来る人がいてくれるだけで良かったの。


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まだ誰とも話した事が無かった頃の私

 

だからね、当初は異性装者が居そうな公園に昼間出向いてみたりしたんです。

そして、知り合いが出来て…

 

最初に出会えた方々は、異性装する方もしない方も含めて、私とは動機も、目指す目標も、方向性も、苦しみも、置かれた状況も、色々な事が全然違う方々だったけれど、運良く、こんな私を受け止めてくれるとても優しい方々だった。

 

みんな私を自然に迎えてお話してくれた。

当時それは、私を救ってくれる、精神のバランスを保ってくれる、本当に大切な時間であり空間でした。

 

今考えると、とても危険な行動で、実際に後に怖い目や酷い目に合う事になるのだけれど…

でもね、当時は何の警戒もなく私が私でいられるというだけで、私にとっては本当に救われた時間だったの。


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初めて人と話す事を決めた日の私

 

私がそこにのめり込まずに、次第にそこから離れていったのは、やっぱり自分と同じような人、或いはとても近い感覚の人のことを知りたかったから。

 

普通に暮らしていては知り得ない方々との交友関係が広がって行く中で、何人か生活実態の有るmtfさんや戸籍変更までした方も知る事が出来てきて、果たしてどうやって進めば良いのか、どこから手を付けようか思い悩んでいた私は、次第に異性装界隈、他のマイノリティ界隈、そしてトランスジェンダーについての知識を色々な方々と話しながら、だんだんと得る事になっていきます。

 

離れていったのはね、勿論危ない目や酷い目にあったりしたことも一因ではあるのだけれど、最初に良くしていただいた場所は、私にとってとても救いにはなったのは事実なの。

でもね、やっぱり方向性が違う以上、本質的に私はそこでは異物で…

私が望む未来はそこに感じられなかった。

 

だから次第に色々なところにチャレンジするようになり、沢山の人を知りたくて、都内に顔を出すようになったのもそれが一因。

 

そんな危ういチャレンジをして行く中で、とても幸いな事に、私はロールモデルにしたくなるような、私ととても感覚の似ている友人が出来る事になります。

それはチャレンジの成果では無かったのだけれど笑

 

これが自分の望む方向を、より明確にさせてくれた事により、だんだんと知識も増えてきていた私は、自分の望む方向を理解出来るようになっていくのです。

 

沢山の人がいる都内には、色々な人がいるのは当然なんですが、色々なニーズに合った場所やコミュニティがあって、それを知るのは私にとって、とても勉強になるし新鮮でとても楽しかった。

 

勿論今でも楽しいと思います。

自分の知らない世界を知る事は、とても楽しいですよね。

 

だけどね、私の望む平穏はそこじゃなくて、なんて言ったら適切なのかわからないけど…

 

私はずっと普通に生きたかったの。


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普通じゃないのだけれど、だからこそ普通に社会とともに生きたいの。

 

上手く言えないけど、特殊な空間や特殊な環境に身を置いていては、私の望むような自分にはならない気がしたんです。

 

勿論ね、今でも公園で知り合えた当時のお友達にも、時々挨拶しに行ったりはしようと思うし、とても感謝しています。

都内で、Mixバーみたいなところで出会えた異性装者の友人にも、とても感謝しているし時々遊びに行ったりはするつもり。

 

そして勿論、親友と呼べる程仲良くなった人達とは、これからも一緒に遊んだり語り合ったりも絶対にします。

トランスジェンダーの友人達ヘの協力も出来る限りしたいと思っています。

 

ただね、Mixバーみたいな、とても寛容な環境に常時身を置いてしまうと、私は弱いから、それに慣れてしまうような気がするの。

 

だからね、今年から私は都内に行っても、あまり色々なところに顔を出さないで、親友に会いたくなったら会いに行くけれど、界隈というか…寛容な環境に積極的に行こうとは思わなくなってきたんです。

 

多分これは今の私にとって、RLEという観点から見ても、とても重要なことなんじゃないかなって思いながら、今年1年を過ごしてきたのかな。


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少し寂しい部分も勿論あるけれど、どうしても会いたくなったら仲の良い人達にはいつでも会えるから、私は私で日常を頑張らないとね。

 

来年も似たようなスタンスで頑張るつもりだけれど、必ずお友達には時々会いに行くからね!

 

みんなそれぞれの目指す自分へ

皆んなの信頼を裏切る事のないように

誠実に一つ一つ

頑張ろう。