夜勤明けで予定がないので、実家に顔を出してきました。
この日は夕飯を食べてから、少し母と二人になることに。
母は私の体調がまだ戻らない事や、それに伴う私の仕事の状況、私が負担している親戚の介護費用等、経済的な事を含めてとても心配していて、まぁ色々聞かれました。
現在の仕事の状況や収入と支出、体調に関しては心配していましたが、今後の仕事場での雇用形態の変更予定やなんかを話すと、少しだけ安心した様子。
そこから、姪の躾や教育の愚痴の話が始まり、比較対象で私の昔の話になりました。
●「私はさ、どうしても自分の子供達と孫を比べちゃうんだよ。
お前なんかは学校でヒーローだったから、手がかからなかったからね。
ただ、お前はさ、私から見ると勉強も運動も1番だったし生徒会もしていたのに、凄く悪い子達とも仲良くてさ。
喧嘩の手伝いにいったり、ちょっと兄貴達とは違う感じだったんだよ。
ワタシにお母さんは世間を知らないとか偉そうに言い放ってたしさ笑」
○「お母さんの事は当時も今も尊敬してますよ。
ちゃんと両親に愛されて育ったと思ってますよ。」
●「それは知ってるよ。
だからあまり心配はしていなかったけど、働き始めてからは心配だったよ。人様の面倒見て借金作ったり、私に似て病気したりさ、仕事もちょこちょこ変わって落ち着かないし、お前だけ子供も出来なかったしね。」
○「子供の頃ね、お母さんは世の中の上層の、立派な人の人脈が凄いのは、当時から私も知ってましたし、凄いな〜って思ってましたよ。
ただ、言葉が悪かったかも知れないけど、犯罪を犯すような層の人達の事を全然知らないと思っていたんです。
あんまり世の中の悪意を受けないで生きてきた人のイメージ。
子供の為に沢山苦労はされたとは思っていますが、
これは今でもそうだと思っていますよ。」
●「私は人に恵まれてきたからね。
パパも私の事を、周りに必ず引き上げてくれる人が集まる才能が凄いって私に言ってたね。
でも、お前はそういう悪いのを知ってたわけだね?▲とか◆君とか、悪い子達もお前はかばってたねぇ。」
○「ああ、彼らはね、とても酷い家庭環境に居て、私とは全然家庭環境が違っていて…
彼等の家庭環境は酷かったんですよ。
私だってこれでは、彼等のようになるだろうなって思うくらいには。
食べるのに困っていたり、今で言う虐待だったりネグレクトだったりね。
勉強する環境が無かっただけで頭も悪く無かったし、性格も悪く無かったですよ。
私との違いは家庭の環境だけだった。
そういう家庭があることを、お母さんは身近に感じたり理解したりは出来ないのだと思ったんです。」
●「お前は優しいからね。
それを知って付き合ってたわけだ。」
○「優しいかどうかは分からないけど…
私は昔から共感性は高かったから、彼等がああいった形になるのはとてもよくわかったんです。
だから付き合いをやめろって言われて、凄く反発したんだと思います。」
●「そうか…まぁお前が影響されて、同じ様になるとは思って無かったけどさ。
確かに感情移入しやすい子だったねぇ。
▲君達に勉強教えてやったりしてたから、そんなにしてやらなくても良いのにとは思ってたんだよ。」
○「勉強も運動も1番だったってお母さんはいうけれど私はね、どちらも日本一になるような力は無いって思っていたんですよ。
環境が違うだけで彼等と私は能力的には変わらないって。」
●「そうか…お前は努力で1番だったんだね…」
○「兄達が優秀だったから、そうでなければならないって思って、人の数倍やってたと思いますよ。
見せなかっただけで。」
●「私は勉強は出来たけど、運動が頑張っても出来なかったからさ、運動は才能じゃないのかい?
パパも自慢だったんだよ?お前の事。」
○「運動もね、走るフォームから筋トレから、凄く工夫して努力してましたよ。
メカニカルにやってたんです。
日本一やプロになる才能は自分には無いって知ってましたから。」
●「あ〜。スポーツ推薦の話が来たときに、なんかスポーツエリートみたいな体格が自分にはないみたいな事をそういえば言ってたね。
今でもさ、あの3番目の子はどうしてるの?って私の友達に聞かれるくらいお前は評判の子だったんだよ。」
○「よくも悪くも、私は自分が特別じゃないって知っていたし、私は家の家庭環境に合わせて生きてきたんです。
お母さんは何でも1番だったっていうけど、1番を取った事があるだけで、3番とか5番とか普通にとってましたよ笑」
●「お前は真面目だからさ、学生の時は怪我して帰って来ようが心配しなかったけど。
だから家を出てからはフラフラして、心配ばかりかけるようになったのか笑」
○「そうかもね笑
育ててもらっている間は期待に応えなければとは思ってました。
でも家を出てからも悪い事はしなかったでしょう?
自由にやっているようで、やっぱりこの家の子として生きてましたよ。」
●「どこで何をやってるか分からない時は心配だったけどね。
今はどうなんだい?体調はまだ悪いんだろ?
仕事場も変わったみたいだし、看護師さんの仕事は満足しているのかい?」
○「看護師はね、多分向いてると思いますよ。
学校で子供みたいな年齢の女の子と、横一線で学んだ環境は、私にとってはエポックメイキングだったというか…
ものの見方が凄く変わったと思います。
なんだかんだ1番続けているでしょう?」
●「なら良かった。
看護師になるとは思わなかったけどね笑
パパはお前に凄く期待していたし、なかなか落ち着かないお前が心配だったみたいだからさ。」
○「お父さんが亡くなってね、色々重なって体調崩したのもあるけど…
50も過ぎたし、自分が亡くなる事を意識するようになりましたよ。
仕事していても看護師だとね、60、70代で亡くなる人をいっぱい見ていますしね。
自分もあと10年か20年か。
分からないけど、もうやりたいように生きないと、死ぬとき後悔するかもって。
少し死生観も変わったと思います。」
●「パパが死んで枷が無くなった?」
○「無くなったわけではないけど…
自分のあり方を考えるようになったかな。
お父さんもお母さんも尊敬しているし、愛されて来たのはわかっているから…枷というと語弊があるけど」
●「そうか…まぁそうだよね。
好きに生きな!
それが出来ないなんて可哀想だと思うよ。」
○「まぁ、なるべくお母さんに心配かけないように、可能な限り残りの人生を好きに生きるつもりです。」
●「お前は分かりやすく優しいからね。
パパも息子達もみんな凄く優しいのに、みんな分かりにくい優しさなんだよ。男の人は笑
でも、お前は分かりやすく優しい子なんだよね。
誕生日とか母の日とか父の日とか連絡くれるのお前だけだしさ笑
まあ、好きにやりな。言わなくてもそうするんだろうけど、周りも大事にするんだよ。」
○「はい、そうします。あんまり早死にしないつもりで笑」
●「そうだよ。健康には気を付けるんだよ。身体は強くないんだからさ。」
○「先に死なないように気を付けます。」
今回は、あからさまにジェンダーの話はしなかったけれど、いつものように罵られることも無かったし、何となく一步前進したような穏やかな気持ちで、帰って来れました。
ちなみに今日も実家にはほぼすっぴんで行ったんですけどね。
今後また、どう母の反応が変わるのかわからないけど、少なくとも見た目で罵倒される事がなくなるだけでも、一步前進したのかな〜って思うのでした。