雨桐悠生 雨さんの軌跡 (女性として生きる事を選択した人の奇跡)

半世紀過ぎてからGIDでMTFだと診断された人です。化粧品のアンバサダーモデルもやってたりします(*´∀`*)

MTF日記(2回目) 私が女性として実際に歩み出すきっかけの話

先ずは私が現在の状況になる、きっかけみたいなお話です。

GIDってね、まぁ私もそうですが、一般的には子供の頃から違和感が有ったり、色々な不都合や事件が有って、自覚していくんです。

ただ、そこからひた隠しにするのか、トランスに踏み出すのかは人それぞれで…

違和の強さの違いだったり、時代の違いだったり、友人や家庭環境の違いだったり、理解度の違いだったり。

色々な要因で、思春期とか早くから踏み切れる人もいるし、私程遅くはなくても、経済的な問題も含めて、30代以降に遅れて踏み出す方もいます。

そして私の様に極端に遅い場合もあることは、それぞれの事情もあるので、理解して欲しいな〜と思います。



で、私のお話。

私は今看護師なんですが、実は40過ぎてから看護師になりました。

これはジェンダーとは関係なく、震災がきっかけです。

当時岩手や宮城に縁のあった私は、居ても立っても居られない感じになり、4月1日には岩手までボランティアに行っていました。

その時に、掃除くらいしか出来ない自分に、凄く無力感を感じて、何か人の役に立てるような仕事がしたいと思ったんです。

で、その年の夏には学校を調べて、それまでしていた商業施設の支配人を辞める算段をして、冬には受験して、翌春から学校へ通いはじめました。

この時にね、若い女性と一緒に学業に向き合うという、あんまりこれまでは経験することが無かった状況にいることはとても新鮮で、今まで頑張って向き合ってきた、男性としての自分の社会的な役割から開放されたような気がして、とても楽だったんですよね。

勿論経済的には結構大変でしたけど笑

学生だからというだけじゃなくて、若い女性も、若くない女性も、若い男性も、私のような若くない男性も、皆一線で過ごす世界は、抑圧されて生きてきた私には、とても嬉しくて、精神的な安寧を感じさせるものだったんです。

同級生に恵まれたんですよね。

普通に若い女性の中におじさんがいるわけで、なかなか厳しい学生生活を覚悟して入学したんですが、同級生や教員にも恵まれたんでしょうね。

とてもリラックスして、楽しく真面目に学生生活を送れた記憶があります。

この学生生活をきっかけに、自分が男性的にしていなくても、受け入れてもらえる環境がある事を実感して、この頃からダイエットをし始めて、服装も中性化していくようになりました。

わざと男性的に、ラフな格好をしていた私が、環境に合わせて、とにかく綺麗にしていたいと思ったんです。
人にも触れたりする仕事ですからね。

卒業までに12kgくらい減量して、髪もショートボブくらいには伸ばしていたと思います。

そして看護師として働き始めると、スーツを着る機会が殆ど無くなり、自由な私服で通勤出来るようになります。

働きながら、3年ほどかけて、私服の9割くらいがレディースに変わっていきました。

コーデはメンズライクではありましたが、物はレディースと言う感じ。

ダイエットも続けていたので、段々とサイズもダウンしてきて、選べる服も多くなっていきました。

5年目くらいには

職場での扱いが、年齢不詳の女子力高い男性看護師さん

みたいな扱いに変わっていきました。

そんなおり、2019年の秋のハロウィンPTの企画で、何故か私がメイクされる事になりました。

「雨桐さん、顔立ちがハッキリしてるし、目が2重で睫毛も長いから、絶対メイク映えしますよ♪中性的だからきっと可愛くなります♪」

と、後輩に言われ、皆はゾンビやら魔女の格好なのに、なんだか私は20代の後輩に、可愛目に?メイクされるという謎の状況。

結果

結構みんな似合う似合う!可愛い可愛い!と喜んでくれましたが、自分では…

もうちょっとなんとか綺麗にならないかな…と笑

思ったより可愛く無いと言うか…(´-﹏-`;)

当たり前なんですが、なんか女装感を強く感じてしまい、結構ショックだったんです。

全然真ん中じゃないじゃんって…

来年のハロウィンまでに、もっと中性化して、メイクも自分で出来るようになろう!と思いました。

常時メイクが目標と言うよりは、来年のハロウィンで、綺麗なコスプレでびっくりさせちゃおうみたいな動機です。


で、ダイソーでコスメ棚一列全部買うみたいな買い方をして、何をいつ、どう使うか、全くわからないまま買い集めて、それぞれをどのように使うのかを調べるところから開始しました。

足りなそうな物をドンキホーテ等で買い足して、翌年から少しづつ練習し始めます。

スキンケアもこの頃からやり始めて、ダイエットもずっと継続はしていました。

もっと中性的でいられるように…

年明けくらいから、covid19で医療現場はざわつき始めていたので、なかなか生活にも気を付けるようになり、家にいる事も増えたので、少しづつメイク関連の情報収集や練習に時間を使えるようになり、TwitterInstagramも始めるようになりました。

本格的にメイクすること、綺麗になることに意識を向けるようになることで、自分の性自認SNSの中でなら、隠さずに表現出来るようになるのではないかな?とも考えるようになったんです。

だからね、SNSを始めたのは、多分私はカミングアウト出来るお友達が欲しかったんですよね笑

こんな感じで2020年の3月頃から、拙いメイクをSNSでアップするようになって行きました。

当時のメイクはまだこんな感じ。

まだウィッグやら下着やらは無くて、メイクから所謂crossdress 女装の道?に入った感じです。

当然家の中だけでメイクしていました。

それだけでも、自分の性自認を隠さずにいられる時間が嬉しくて嬉しくて、楽しくて仕方がなかったのを覚えています。