雨桐悠生 雨さんの軌跡 (女性として生きる事を選択した人の奇跡)

半世紀過ぎてからGIDでMTFだと診断された人です。化粧品のアンバサダーモデルもやってたりします(*´∀`*)

MTF日記(120回目)両親への思い

また仕事ばかりの毎日に戻っている雨さんです。

前回は、ちょっと楽しく過ごせた今夏の思い出みたいな話を書いたわけですが、まぁ日常は仕事ばかりして、お金をあまり使わないように、なるべく早く手術したいからコツコツとした生活を続けています。


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もう資金が貯まったとか、手術の日程が決まったとかを見ると、凄く祝福する気持ちと自分の境遇に対しての自己嫌悪とが綯交ぜで、ちょっと落ち込む瞬間もあったりする事は勿論私だってあるし、母がオペに関して反対していることもあるので、ご両親に応援されている方を見ると、良かったね、良かったね!と思う反面、羨ましくなって自分の先行きを考えて、落ち込んでしまう日があるのも事実です。

 

現在の生活に至るまで何度かね

「貴女の人生は両親の人生じゃないのよ」とか

「貴女の人生なんだから、貴女がやりたいようにやらないと後悔するだけだよ」とか

「いつまで良い子ちゃんでいるつもりなの」とか

「捨てなければ得られないものもある」とか

色々な意見で、私の背中を押して下さる方がいました。

そのおかげで一歩づつ、遅まきながら進んでこれたわけですが…

 

 

私はね、両親をとても尊敬して育ってきました。

父が大好きで、沢山心配をかけたけどいつも父は私には優しくて、あまり喋らない人だったけれど、常にニコニコ見守ってくれて、私はいつも父には褒められたかった。

母は私とは性質が全然違っていて、色々な才能の塊みたいな人で、個性的だし開けっ広げで、自信家で時に差別的で…私とは似ても似つかなくてよくぶつかったけれど…でも私は彼女をとても尊敬していて、私はいつも母に蔑まれたくないと思っていました。

 

今は父は亡くなってしまったし、私は子供の頃から祖父や祖母はいなかったから、私を育ててくれた肉親はあとは母しかいないのだけれど、その母が本質的には受け入れてくれていないのは、とても私には苦しい事で…

 

こうなって暮す時間が経過するに連れて、最初は泣いて怒っていた母が、落ち着いて私と会い喋り、普通に頼み事をしてきたりするようになってくれた事はとても有難いのだけれど、なかなか受け入れるのが難しい一線が有ることも伝わってくるんですよね。

 

自分を守る為に、両親も何もかも捨てて生き抜いた人も知っています。

家族や子供と決別した人がいるのも知っています。

 

私には子供はいないけれど、私は母を断ち切る事は出来ません。

性格も価値観も違う人だけれど、間違いなく私を強く愛して育ててくれた人なのです。

 

母が私を産む時にね、母の命が危なかった事があったそうです。

3人目だし子供を諦めようと父は考えたそうですが、母は自分が死んでも私を産むと言い張ったと、父に聞いた事があります。

 

自分の為に自分の人生を可能な限り後悔無く生きようと進んできたけれど、そんな人を、私は無視することは出来ないの。

だから時間をかけて、少しづつ受け入れてもらえるように頑張っているけれど、ひょっとしたら母が亡くなるまで無理かもしれないなって考えたりもするんですよね。

 

だとしても

私は自分の残りの人生を、良かったなって思えるように、バランスをとりながら、可能な限り生きぬいて行こうと思っています。

なるべく母も悲しませないように…
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早く身体を治せるように頑張るぞ。